シン・ゴジラ感想@ネタバレ注意

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というわけで・・・。
朝イチからシン・ゴジラを見てきました。
久しぶりの日本で作られたゴジラということもあってか・・・。
さいたま新都心コクーンの映画館は年齢層が高かったこと・・・。
子供が少なく、根っからのゴジラマニアって顔した連中がそろいもそろっていた。
無論、ワシのその一人。
グッズ売り場にはシン・ゴジラのソフビもあったがあっという間に売りきれていた。
買っているのはどうみてもオッサン連中、改めて知る。
日本のゴジラマニアの存在を。
さてここから先はネタバレ含むので閲覧は気を付けよう。
もしも現代日本ゴジラが現れたらどうなるか?
これがもっとも上手く作品では表現出来ていた。
ゴジラ=想定外の事案、ありえない未曾有のこと、それが発生してしまうと日本政府があまりにもグダグダな動きをしてしまう、一瞬現実で起きたことの再現かと思ってしまうほどリアリティーがあった。
最初はそんなものはいないとバカにされるも生中継でそれが現実になる流れ、どーしたらいいのか?とりあえず会議→解りそうな人を集めよう→会議→わかんねーって→またどうしよう会議。
もうね・・・あまりにも各省庁が連携取れないし許可がおりないとか常に会議とか・・・。
決断や実行が後手、後手に回ってしまいあっちがゴジラならこっちはゴテラ状態。
んでやっぱりみんなこんなリアクションにあるよなー?というのがわかり易いシーンがチラホラ。
とりあえずスマホで撮影、そしてニコニコ動画で流す、ツイッター実況等。
んでニュース番組がL字画面でまるで実際に起こっている災害情報のようだった。
官房長官みたいな人が記者会見をし東日本大震災でもよく見られた作業着姿の国会議員たち。
巨大生物の上陸はない!と発表してるところで早速上陸するあたりコントか!と思ったよ。
あれは海の生き物だろうから陸に上がったら体が耐え切れないとか発表している時に怪獣上陸とか・・・。
政府があまりにも無能って状態、いや現実でもきっとこうなるな。
そして姿を現したのは・・・「は?」と思うような気持ち悪い生物。
ゴジラちゃうやん!と映画を観て思った人はウン万人いると思われる。
恐竜とゴジラの中間のような妙に気持ちの悪い巨大生物。
それが海から川を逆流し水が洪水、いや津波のように押し寄せ建物を破壊する。
正直、東日本大震災津波のような感じだった。
押し寄せる津波と怪獣から逃げる役の方々の演技もいいなあ、根っからのファンがやってるんでしょ?
1度でいいからあの逃げる役やってみたいんだよね〜。
そして政府もようやく重い腰をあげて怪獣を駆除することを決断。
自衛隊による武力行使、これねえ・・・リアルでもかなり議論になりそうな問題だよなあ。
法や憲法の壁があってすぐに攻撃出来ない、自衛隊を使えないって・・・考えてみれば確かにそうだよなあ・・・。
そして武力行使することも速報としてニュースで流れるとか・・・英断なのかクソ遅いのかリアルにあったら意見半々だろうな。
品川まで進んだ巨大生物は進行をやめ・・・這いながら進んでいたが突如立ち上がる。
そして・・・進化を始める。
え?・・・まさか・・・?コイツがゴジラなのか?
てっきりこの妙な生物はきっかけで他にどっかからゴジラが出てくるのかと思ったが・・・。
急に進化してさあ・・・CMで見たようなゴジラに徐々に姿を変えて行くんだぜ?
作中に進化とか・・・それは予想外だったわ・・・進化するところを見せるってのは今までになかったしなあ。
作品の中で成長したのは平成キングギドラ内ではあったけどぼやかした表現だったなあ。
進化したあと自衛隊が攻撃に入るんだけどまだ人がいるということで攻撃できない!ってのはなんとも歯がゆいねえ。
京急線あたりかな?その辺を移動しているおばあちゃんがいたとか・・・。
おい!ばばあ!って思っちゃったよ。
でも急に避難しろとか言われてもすぐに出来ない現実ってのも理解できるわ。
自衛隊の攻撃で一般人を傷つけることは出来ないという現実、怪獣駆除目的でも傷つけたらスゲー叩かれそうだもんなあ。
んで巨大生物はちょいと進化したところでいったんお帰りになられます。
巨大生物が通った道には何マイクロシーベルト放射能が〜とかつい最近までよく耳にしていたワードが飛び交う。
世界各国が日本に哀悼の意の表明と支援を〜とかそんな細かいところまで描くのか・・・。
さあ今後どうすっぺ?となっている日本。
後始末も大事だが、まずはまたアイツが来ないように対策を〜とあたふた。
アメリカからの使者であれはある日本の研究者が〜と細かい説明はまあ省く。
そこで初めて「ゴッジーラ」と命名
言いにくいので政府が「ゴジラ」と発表。
それをニュース報道・・・なんだかシュールだ・・・。
政府もどーにか生物として分析し色々国会内で喧々諤々。
んで国会外で大規模デモが行われているんだよね。
ゴジラを倒せ!」「ゴジラを倒せ!」って。
戦争反対!というデモなら実際にあったが・・・もしこういうことが起きたら間違いなくこういうデモも起こるだろうな・・・。
中には戦争反対!と叫んでた人がゴジラを倒せ!と叫んでるかも・・・と思ってしまう。
実際起きてしまったら役に立たないどころか壁となり邪魔してくる憲法、法律。
んで色々対策、研究しているうちにまたゴジラが出現。
江ノ島に出てきちゃったよ。
江ノ島から鎌倉市街地へ・・・これは聖地巡礼コースになりそうだ。
んでようやくCMでも確認したあのゴジラがお目見え。
さらにCMでも使われていたシーンがここで流れる。
そして決行される自衛隊による駆除作戦。
特撮映画ならではの陸海空の勢力フル起動での作戦。
戦車、アパッチ、飛行機・・・ちょっとワクワクするね。
ただ、攻撃する前にいちいち総理大臣の許可がないと出来ないってのがホントクソ。
いやいや・・・現実問題だろうけど・・・ホント無能だな。
迎撃場所、多摩川・・・不確定だけど・・・川崎の近くかな?
割と知っているところが出てくるとちょいと興奮するね。
んで機銃、戦車砲、戦闘機によるミサイル。
全弾命中しているのに全く効かない、爆発凄くしているんだけどほぼ無傷。
駆除できると思っていた人等の徐々に見えてくる焦り。
首都侵入を食い止められない、ゆっくり東京に入って行き建物おかまいなしに踏み潰して行く。
圧倒的な絶望感、パニックになる東京、逃げ惑う人々。
夜の東京のネオンは全て停電し真っ暗に。
これだよ・・・この圧倒的な絶望感こそ・・・ゴジラの映画に絶対必要な要素。
ここでアメリカが勝手に動いてゴジラ攻撃すっから許可だけ頂戴、もう戦闘機離陸してっから早めにねって流れ。
やりそう、アメリカなら普通にやりそう・・・。
総理はしぶしぶ許可を出しアメリカ軍の戦闘機による攻撃開始。
ちなみにゴジラは東京駅まで移動しました。
アメリカのミサイルの性能は意外とよくちょいとダメージを与える。
この攻撃に頭に来たのかついにゴジラも反撃に出る。
それは・・・口からの放射熱線、ゴジラの常套手段だ!!
いや!違う!知っているのと違う!
ゴジラのいつもの放射熱線じゃない!まるで・・・ビームだ!
まるで・・・ゴジラというよりナウシカ巨神兵のような・・・。
放たれたビームにより米軍機は次々に破壊されてしまう。
さらに口からだけではなく背中から、いや全身からビームを放っているようにも見えた。
ビオランテの時に密着時に使ってた技っぽいな。
あちこちに迷惑ビームを放ち東京を破壊するゴジラ
そのビームは直前まで国会に居たが逃げるお偉いさんたちを乗せたヘリコプターまで撃墜。
総理を含めた内閣閣僚全員ここで退場って・・・唖然としたわ。
ビーム撃ちまくったゴジラは何故か活動を停止、東京駅にそのまま動かなくなってしまう。
どうにもビーム撃ちまくったせいらしいが・・・燃費悪いゴジラだなー。
活動こそ停止しているように見えるけど近付いたら近付いたらビーム打ってくるいわば省エネモードで東京駅に待機しているんだってさ。
で、動き出すまでに多分これぐらいの時間日数掛かるからその間にどーにかしようって流れ。
随分都合のいい展開だなあ〜しょうがないか。
んで、世界が非常な決断を下す。
ゴジラを人類最大の炎で駆除するという・・・。
つまり・・・核兵器
この選択肢ってのは・・・重いなあ・・・非常に重いわ。
そして東京都の人を全て疎開させる決断。
しかし核兵器だけは避ける!という日本人の意地だね、それが他の選択肢を作ることに成功させるわけで。
例えゴジラ相手でも屈せず核兵器にも頼らない!って部分が非常に日本人の作品らしい。
アメリゴジラじゃあこんな流れにゃあできまい。
ゴジラの解析もどーにかなって選んだ手段は・・・血液凍結。
そういう方法で倒すのか・・・まるで福島原発の処理みたいだ、凍結とか。
んで資材もどーにか用意して作戦決行日。
ここで怪獣大戦争マーチが流れる胸熱な演出。
さてゴジラにどんな攻撃を仕掛けるのか・・・そう思っていたら予想外な攻撃!
それは・・・爆弾を積んだN700系、つまりのぞみ!
東京駅という場所にうっかり居座っちゃったゴジラに最も適したアタックだった!
新幹線で足元攻撃って・・・そんな発想・・・出来なかった。
それだけじゃあない!
在来線も使って同じように攻撃。
山手線、京浜東北線上野東京ライン、中央線快速、E233系の特攻ッ!
このシーンが1番今回好きかも。
思わず「行け!」と口走っちゃった。
ツイッター見てもこのシーンを絶賛している人は結構いるようで。
さらに今度はビルを爆破して倒れてくるビルでゴジラを動けなくする展開。
これも見事に成功、東京駅の利点(?)をフル活用した攻撃。
そして動けないゴジラに用意していたクレーン車、そしてポンプ車を使い血液冷却開始。
除染作業かな?これは。
口から投与するあたりビオランテと同じやり口だね。
思わず「薬は注射より飲むのに限るぜ、ゴジラさん」ってあの名台詞が浮かんだ。
けどゴジラも抵抗し暴れるが結構効いている模様。
ついには100%投与に成功、最後に立ち上がり暴れようとするがゴジラは凍結し完全に沈黙する。
エヴァの流れそのものだな・・・庵野作品っぽいねえ実に。
とりあえず危機は回避し核ミサイルによる攻撃も免れた。
んで研究が進みゴジラの細胞から除染がカンタンに出来るようになり復興もスムーズになるという流れ。
最後のシーンで登場人物がこれからどーする?みたいに会話するシーン背後に凍結して動かないゴジラが居るってなかなかシュール。
完全決着・・・とは・・・言いがたい感じがするなあ・・・。
これは続編をにおわすラストということでいいのかな?
エンドロールが流れて拍手が起きた映画館がそこそこあったらしいが・・・。
さいたま新都心の映画館はみんな無言だったよ。
映画の空気に完全に飲み込まれ言葉が発せない状況だった。
モーニングということもあって1300円と安かったけど・・・値段以上の作品であることは間違いない。
それにしても映画館の客層・・・予想通りオッサンばっかりでした(笑)。
あの方々は根っからのゴジラマニアか特撮マニアだろうな。
日本人対ゴジラ、そんな感じのテーマーだったね。
しかしまあ・・・人によっちゃ憲法論争になってプロパガンダ作品という人もいるだろうね。
ただ、リアリティー追求するならこんな模写になるってのはよーく理解出来る。
今までのゴジラ映画にはないものがこのシン・ゴジラにはある。
ゴジラが暴れまくるシーンを期待している人にゃあ少し物足りないかも知れん。
カンタンに言えば初代ゴジラを現代風にしたような作品。
とりあえず見ておいて損はないね、ただ途中で退席する人もいたり。
子供向けではないね、あんまり、少々難しいかもしれない。
あとポップコーン味わえない作品だね、ジュースの味あんまりわからなかったし。
ただ、ハリウッド版ゴジラでは絶対作れない、日本人が作ったゴジラ!という強い意思が感じ取れる。