金子正彦騎手引退・・・そして・・・

今日は川崎競馬金子正彦騎手が引退した。
4Rで逃げきり勝ちを納め最後の仕事はしたかのように見えるが・・・。
一部のマニアから3着に来るのが達人的に上手いことから金子3着固定で3連単を買うのはある意味常識になっていた。
今日はその3着はなかったが・・・。
かつてはサイレントスタメン東京ダービーも制しているベテランで実力派。
マルカカイゼルで地味に川崎記念5着なんてのも・・・。
どちらかと言えばマイナーな騎手なのにどうしてここまで追いかけ続けることができたのか。
それは・・・一人の人間にある。
ラデツキー君、彼が教えてくれた馬券術で1番使えた技。
これのおかげで1番人気1着にして金子3着固定で2着テキトーに流すだけでカンタンに3連単が取れたことが実に多い。
結構大きめな馬券を当てたこともあった。
我々競馬仲間の中でも特に金子正彦騎手を敬愛していた。
しかし彼、ラデツキー君は・・・もう姿を見せない。
恐らくはもう数年前に亡くなっている、その事実を知るものは誰もいない。
彼の素性は誰も知らないからだ。
ナリタという苗字以外は誰も知らないし普段何をしているのかどこに住んでいるのか、それすらも知られていない、身近な正体不明な存在だった。
だけどいっつも競馬で面白いレースがありそうな時はそばにいた。
ますざぶオフ会には欠かさず顔を出した。
行動力は誰よりも長けており朝一で宇都宮競馬へ行き1Rだけやってそこから船橋競馬へ移動するという常識ハズレな行動も付き合わされた(笑)。
少し前までは体調崩してたからまたひょっこり現れるもんだと思ってたが、彼の大好きなJRAの石神騎手が大レースに勝った時に何1つアクション起こさなかったことから我々は彼の死を予感から確信へと変えた。
もし彼が生きていたら・・・今日の川崎競馬場に必ず行きワシらもつき合わされ今日は金子3着引退飲み会とか開催していただろうな。
金子正彦騎手の最後のレース、まあ馬券に絡むのは難しいだろうなあと思ったが・・・。
この金子を・・・金子の馬券を買わないともう2度と買えない、それはラデ君の教えてくれた金子3着の教えに背くことになる。
当たるかハズレるかじゃない、これは弔いだ。
今日の金子騎手最後のレースの馬券を買うことは彼に対する最後の弔いなんだ。
結果は・・・やはり馬券には絡めず6着。
これでもう地方競馬で金子3着固定の馬券を買うことは無くなった。
「金子3着」この合言葉はもう2度と馬券で使うことはないが・・・記憶の片隅に永遠にとどめておく。
ありがとう、ラデツキー君・・・合掌。