お別れは夢の中で

ネコの遺体を枕元に置いて寝ました。
やっぱり夢の中にネコは出て来ました。
夢の中では死んでたけどいきなり生き返るというものでした。
ワシを見るなり「ニャー」と鳴いてくれた。
ワシは「ありがとう、もう死んで良いよ、お別れが出来てよかった」と言えた。
するとネコはワシのほうを1度だけ見てからどこかへ足早に走っていった。
最近の粗相のせいで汚くなった体ではなく以前のようなキレイな毛並みだった。
そういえば・・・昨日、体を洗ってやったっけ。
以前だったら風呂場が大嫌いで連れて行こうものなら引っ掛かれて大変だったが・・・。
全く抵抗もなく硬直した体はまるで洗ってもらうのを待っていたかのような。
勝手な解釈だけど最後体をキレイにしてもらったお礼を言うためだけに夢の中に出てきてくれたのかな?
まあ、一応女の子だし汚い体のままあっちへ行くのはさすがにかわいそうだしね。
そして・・・明日、最後のお別れ。
都会にゃ埋める場所がないのよ、ゆえに出張の火葬です。
出来れば大きな木の下の根元に埋めて木の栄養にでもしてもらいたかったが。
しかしまあ・・・クソ迷惑ばかりかけてくれやがって・・・手が最初から最後まで掛かってめんどくせーよ。
全く・・・ネコってのは実に手が掛かる・・・掛かるからこそ愛着が湧くって言うが・・・それは本当だな。
きっとこの先、ネコを飼うことは一生ないだろうな。
20年近くも一緒に生活してきたんだ。
こいつを超えるネコにゃあもう出会えないよ。
オカンもオカンでワシが呼びづらい名前つけやがって。
何がラヴだよ、ワシがその名前1度も呼んだことないの知ってるだろ?
ずっと今まで「ネコ」と呼んできたよ。
だから最後だけは名前で呼んでやる事にする。
バカネコが・・・全く・・・寂しいじゃねーかよバカヤロー。