未勝利脱出までに11戦。
重賞3勝。
そして何より・・・その印象に残る馬名。
ゴーゴーゼット。
どちらかというと珍名馬。
馬名はおそらく母クインゼットから来ているんだろう。
90年代半ば、G1勝ちの無い馬ではナイスネイチャに次ぐほどの人気があった。
有馬記念のファン投票でも20位以内にちゃっかり入ってたりする。
鋭い末脚を持っているが・・・どうにも大きいレースではなかなか発揮できない。
そして顔を真っ直ぐにして走らない妙なクセ。
ソラを使っているのかどうも遊んでいるようにも見える。
そんなゴーゴーゼットのベストレースは・・・。
1996年の秋の天皇賞。
トウカイタローの逃げが鈍り、カネツクロス、ナリタキングオーも徐々に失速。
ここでバブルガムフェローが抜け出しに掛かる。
按乗の蛯名騎手は外へ併せに行く。
その外にはマヤノトップガンがやってきているからだ。
さらにその外にはマーベラスサンデー。
間、ちょっと苦しい位置にサクラローレル。
さらにはベストタイアップがやってきている・・・そんな中!!
ただ1頭内から伸びてくる馬が居た。
それがゴーゴーゼット。
大半の人がまさか内からゴーゴーゼットが伸びてくるとは思わないので実況でも全く呼ばれない始末。
しかし僅かだが一旦は先頭に踊り出る。
そこでゴーゴーゼットは真っ直ぐ走らない、苦しいのかよれによれあっさり先頭を奪われる。
あそこで激しくよれずもっと真っ直ぐ走っていたら大番狂わせが起こっていたに違いない。
ラジオたんぱと矢野アナ(テレ東)はゴーゴーゼットの名前を確かに叫んでいる。
フジの三宅アナはゴール直後にようやく名前を挙げるのが精一杯だった。
自分の仲間内でやっている5着当て大会。
この時代に生きていてそれをやっていたら誰も予想出来なかったに違いない。
バブルガムフェロー、マヤノトップガン、サクラローレル、マーベラスサンデーに続く5着は重賞を制した時よりもずっとずっと輝かしい成績だとワシは考える。
続くジャパンカップでは向こう上面で早くもムチが入るほどのダメっぷりで惨敗、そして引退。
この天皇賞で全てが燃え尽きたと言っても過言ではない。
こういう記憶に残る個性派が居れば・・・競馬はもっと面白い。
何気にこのレース、バブル、トップガン、ローレル、マーベラスも凄いけどさ。
他の出走馬も個性派揃ってるよね。
マイネルブリッジ、カネツクロス、ユウセンショウ、ナイスネイチャ、マイヨジョンヌ。
ナリタキングオー、ベストタイアップ・・・。
この頃の競馬が好きな人にはたまらんメンツだね。
たしかこの時ってトーヨーリファールが出走予定だったんだけど回避したんだっけか。
トーヨーリファールまでいれば完璧だったのに。